アトピー性皮膚炎は、「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする 疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。またアト ピー素因とは、「(1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、 アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患)、または(2)IgE 抗体を産生し易い素因」と説明されています。 症状はかゆみを伴う発疹で、皮膚が乾燥してざらざらすることが多いです。肘や 膝の内側のくぼみ、顔、首などによく現れます。病因としてはほこり・カビ・ダ ニなどのアレルギーによる場合と、アレルギーが認められない場合に分かれます。 遺伝子の関わりも研究されています。 |
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じんましんは全身もしくは一部の皮膚に、大小さまざまな発疹が現われ、強いか ゆみを伴う症状です。発疹は数分から数時間で消えてなくなります。アレルギー 体質の人に多く見られるともいわれますが、外部刺激やストレス、食品(サバ、 エビ、卵など)などでも起きますので、はっきりとは原因は分かっていません。 原因が分かっている場合には、その物質との接触を避けます。抗アレルギー剤や ステロイド剤を使うこともあります。 |
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じんましんは、一生のうちで15~25%の方がかかるといわれている、よくある疾患です。 じんましんと湿疹の違いが、はっきりと分からない方が多いので、違いをお話しさせて頂きます。 一つ目は、じんましんは、”膨疹”という虫に刺されたような、少し盛り上がった赤い発疹が、もっと広い範囲で、地図状あるいは不規則な形で出現します。 二つ目は、じんましんの発疹は、24時間以内に跡かたもなく消えてしまうのです。そして、その発疹が繰り返し出現するのです。 じんましんの原因は何かとよく聞かれることが多いのですが、これは、なかなか特定できないことが多いのです。というのは、じんましんの原因となりうるものの種類が多すぎて、絞り込めないのです。例えば、じんましんの原因となりうるものには、細菌やウィルスの感染、食品、食品添加物、合成着色料、薬、ハウスダスト、カビ、ダニ、花粉、動物の毛などの吸入物、接触、圧迫、摩擦などの物理的刺激、温度差(寒冷じんましん、温熱じんましん)、日光、精神的ストレス、風邪、疲労、発汗など様々なことが考えられます。その中から、原因を見つけ出すのは非常に困難なのです。 じんましんの治療については、抗ヒスタミン薬が使われます。抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代がありますが、眠気などの副作用の少ない第二世代が使われることがほとんどです。抗ヒスタミン薬を内服してじんましんが改善して、すぐ薬を飲むのを止めてしまうと、じんましんが再発してくることがあるので、約4週間くらいは内服を続けた方が良いと思われます。 ほとんどの方が、抗ヒスタミン薬の内服でじんましんが改善するのですが、中には、抗ヒスタミン薬を内服してもじんましんが改善しない方がわずかにおられます。その場合は、抗ヒスタミン薬の種類を変更したり、内服量を増加するという方法があります。それでもなお改善しない場合は、H2ブロッカー、抗ロイコトリエン薬、グリチルリチン製剤、抗不安薬、ステロイド薬の内服などがありますが、いずれも保険適応外ですし、効き目についても必ず良くなるとも言えません。それが、じんましん治療の難しいところです。 |
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じく、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こさ れます。子供の頃に治癒した水ぼうそうのウイルスが生き残っていて、神経節内 に潜伏していたものが再活性化し、発症します。50歳代の女性に多くみられます。 症状としては、神経線維にそってまず痛みや違和感が見られます。その後、左右どちらかの皮膚に神経線維にそった形で帯状の発疹や水ぶくれが出るのです。発症部位は、胸や背中が最も多く、ほかに首や顔、腕、太ももなどにも見られます。 時に結膜炎や顔面神経マヒなどを合併することがあります。 |
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パピローマウイルスによって起こるウイルス性イボと、皮膚の老化によって生じる老人性イボがあり、症状は多少異なります。 ●ウイルス性イボ ・青年性扁平イボ・・・女性の顔面に多く見られ、米粒大の盛り上がったしこり ・尋常性イボ・・・表面がざらざらとした硬くて小さなしこり ●老人性イボ 年配の方の顔面によく見られ、褐色から黒色をしているざらざらしたしこりです。 悪性化の恐れはほとんどありませんが、かゆみを伴うことがあります。 液体窒素の冷凍凝固治療が基本ですが、イボの種類や状態によっては、色素沈着を起こしたり、効果が少なく、根治までには複数回行う必要があります。 |
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皮膚糸状菌(白癬菌:カビの一種)が足に感染して起こる病気です。足が不潔な状態のときに起こりやすいのですが、感染の機会は非常に多くあります。家族内に白癬菌の感染者がいる場合、同じ施設での集団生活、プールや共同浴場の利用などは特に感染の危険性が高くなります。 医師の診断を受けていない人を含めれば、日本人の2割近くが患者だとのデータもあります。 爪に感染すると、爪が白く濁ったり、黄色くなったりします(爪白癬)。この場合は特にかゆみもないため、治療されずに放置されているケースが目立ちます。 |
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